ホテルフロントの仕事を辞めたい
ホテル業界、宿泊・観光業界は他の職種と比べて、離職率が高いです。3年以内に、およそ30%以上の人が退職していきます。ホテルで働く人にあこがれて入社してみたものの、思っていたのと違っていた・・・なんてこともザラにあります。
力仕事が多く意外と体力を使う仕事だったとか、とにかく拘束時間が長い、不規則なシフト勤務で体調不良になって退職を余儀なくされたなんて人も珍しくありません。ここではホテルフロントの仕事を辞める理由について詳しく解説してきます。
辞めたい理由@:給料が安い
ホテル勤務の場合、給料は平均すると年収300万円くらいです。もちろんホテルの規模にもよります。大きなホテル・高級ホテルだともっと高いのですが平均するとこのくらいです。
他の職種と比べても高くはありません。また、長く働けば働くほど給料が上がると言うのかといえば必ずしもそうではなく、何年もの間同じ給料で働いている人もいます。
実際に僕が働いていたホテルの社員もそれで辞めていきました。4,5年給料が変わらないとモチベーションが上がらないですよね。ホテル全体の売り上げがないと当然給料に反映されませんので、この辺は普通のサラリーマンが勤める会社と同じです。
1つ違うのは宿泊・観光業という業界に特化しているという点です。宿泊や観光が盛んになるイベントが多々あり予約が多く取れ続けているうちは、それに比例して給料も上がっていくことでしょう。
しかし、最近は予約宿泊客、宴会・結婚披露宴など自粛傾向にある中で宿泊・観光業界全体が縮小しているおかげで給料アップは期待しない方が良いです。
辞めたい理由A:深夜・早朝勤務が多い
ホテル勤務特有のことですが「24時間シフト勤務」です。宿泊客を相手にするので当然ですが、ホテルは24時間365日営業しているわけです。それに合わせて従業員も早番、中番、遅番と交代制の勤務になっています。
早朝勤務もありますし、深夜勤務(ナイトフロント)もあります。週や月ごとに勤務時間が代わり不規則な生活になって体調を崩す人も珍しくありません。
先週まで早朝勤務だったのに、1日おいて次の日から深夜勤務、そしてその次の週は昼出勤などなど不規則な時間で働くこともしばしばあります。
これはキツイ人にとっては、かなりキツイでしょう。特の女性の方は、肌荒れなど見た目にも影響が出てきます。人というのは本来、朝起きて夜寝る生き物です。
本来、寝る時間におきて活動するというのは、何かしら身体に影響が出てきます。ただ、それがずっと続くと徐々に慣れてくるものです。僕も10年近く深夜業務をやってきた経験がありますが、体が慣れてくるんですね。
ただ、それはずっと夜勤だった場合の話であって、日勤と夜勤が交互に入れ替わる変則シフトの場合は違います。僕の知る限りでは、2週間おきに日勤と夜勤が入れ替わるシフト制勤務で働いている人を見たことがあるのですが、やっぱり不健康そうでした。
まず見た目。顔が黒くなります。血色が悪くなるんでしょうね。本人からすれば自覚がないかもしれませんが、しばらくぶりに会ってみると、なんか顔が黒くなった?と思わされます。
体内時計も狂うでしょうね。2週間前には活動していた時間帯に眠る・働くというのが、そんな器用にできるのか・・・。
やろうと思えばやれますが、知らず知らずに体に負担がかかってきます。僕も夜勤の仕事から日勤の仕事に戻った時に、やっぱり夜寝る生活が一番だな!って心底思えました。
ただ、日勤の方が夜勤に比べて給料は安いんですけどね・・・。
辞めたい理由B:勤務時間が長い
シフト勤務ですが、3交代制ならまだしも2交代制で20時から翌日の11時までとか、異常に長い時間拘束されることもホテル勤務の特徴です。24時間拘束(仮眠あり)→2日休み→24時間拘束(仮眠あり)の繰り返しなんてシフトもあったりします。
これに体が慣れずに辞めてしまうというホテルフロント従業員はよく聞きます。体にある体内時計が完全に狂ってしまい日中でも頭がボーっとしてしまうんですよね。
拘束時間が長いってだけで嫌な人は本当に嫌でしょう。仮眠時間(2〜3時間)は給料に含まれないなら、その分早く帰りたいって思いますしね。1日8時間勤務っていうのが、やはり理想でしょうね。
ほどよく働いて、ほどよく自分の時間も取れる、そんな生活がいいという人には、向いてないかもしれません。
辞めたい理由C:自由に休みが取れない
ホテル自体の営業時間が24時間365日稼働なので、休日をとれる目途があまりつきません。各種イベントで忙しい時は全く休みがとれないこともザラにあります。
加えて上記の理由ABのように不規則で長い労働時間のため、友人と遊びに行く時間帯が合わないのです。普通のサラリーマンなら17時とか18時に仕事が終わり、20時にお店で待ち合わせ・・・なんてことが当たり前ですが、そんな規則正しく業務が終わるわけではないです。
辞めたい理由D:体力的にキツイ
思った以上に体力仕事だったというのが割とよくある退職者の感想です。フロントの仕事はチェックイン・チェックアウトの受付、接客、電話応対などがメインですが、基本立ち仕事なので意外と体力を使います。
多忙な時間帯はあちこち動き回ったり力仕事もあったりしますし、お客様へのクレームにも対応しなければいけません。
辞めたい理由E:接客が向いてない
働いて初めて知ってしまった・・・「ワタシセッキャクにムイテナイ・・・」。こんな人もいます。未経験から始めて憧れの職業だと思って働いてみたものの、思っていた世界と違っていた。
いつまでたっても仕事は覚えられないし、たくさんミスはするし、こんなんで私やっていけるのかな・・・なんて感じてる方もいます。仕事自体には慣れつつあるけど、どうしても接客が好きになれない。むしろお客さんと接することが苦痛に感じる、と言う人もいるでしょう。
人間だれしも向き不向きはありますし、合う合わないというものがあります。ちゃんと給料もらって働いてるんだから!と割り切れるならいいですが、ずっと働き続けても苦痛でしかなければ辞めた方がいいです。
辞めたい理由F:クレーム対応が嫌
そしてホテル業界特有のクレーム対応というものがあります。どの分野・職種にもクレーム対応という仕事はありますが、ホテルでのクレーム対応はまた別かもしれません。
サービス向上につながるクレームなら良いですが、ただの業務妨害としか思えない気の狂った客というのがいます。学校で言うモンスターペアレントみたいな人もいますし、電話でおかしなことをいう人もいます。
そして、クレーム対応はいつも決まって新人の仕事だったり、なぜか自分にいつもその仕事が回ってくるという人もいると思います。なんでこんなこと言われなきゃいけないの??なんで私ばかりいつもクレームに対応しなきゃいけないの?
もっと上の責任者がやるものではないの??なんてことを思って辞めた人も多いはず。キチガイじみたお客に遭遇するのが嫌でホテル業界はもちろん、接客が怖くなったという人もいます。
辞めたい理由G:人間関係が嫌
最後はこれですね。言わずもがなです。どの業界でも必ず辞めたい理由にあがる人間関係。パワーワークや飲食業界ほどではありませんが、一部には体育会系の人もいます。
他の従業員やお客さんの前で怒鳴りつける、いちいち大声で命令する。嫌みな喋り方や命令口調な人、パワハラ・セクハラ・モラハラなど。性格が合わない人はもちろん、お局様、・いじめなんかもあるところはあります。
まぁ、これはホテル業界に限った事ではないですけどね。どんな人間が働いていて、どんな雰囲気の職場なのか、こればっかりは実際に勤務してみないとわかりません。
【体験談】ホテルのナイトフロントを3日で辞めた
僕の体験談ですが、割と小さめのホテルで働いていた時の話です。ナイトフロントの仕事を4日で辞めました。入社して5日目にバックレたので、4日間働いてブッチしたことになります。理由は・・・人間関係ですかね。
同じバイトのメンバーとはなんともなかったのですが、直属の女性上司に嫌われてしまったからです。特に嫌われるようなことをした覚えはないのですが、ハッキリと嫌われている、控えめに言って歓迎されていないという空気はビンビン伝わってきました。
教えられていないのに、「なんで知らないの?」とネチネチ叱られた挙句、さらにその上のホテルの支配人みたいな人に、いろいろ悪口を言っていたので「もうダメだ」と思い逃走しました(笑)。
雇っておきながら歓迎されていない職場では働けません。人間関係マイナスから始めるより、別の会社でゼロから始めた方が良いに決まってますので。
直近で働いていた分の給料は手渡しで貰っていたので、ドロンという感じで逃げました。正確には無断欠勤して1日中携帯の電源切っただけですが。詳しく知りたい人はこちらからどうぞ。
転職活動はどうなの?
ホテルフロントの仕事の経験は転職先でも活かされます。フロントの仕事というのは、大体どのホテルでも同じだからです。ホテルごとに扱っているシステム(PCのプログラム)が違ったり、資料や顧客対応マニュアルは異なりますが、基本となる部分は同じです。
宿泊客の予約受付、チェックイン・チェックアウト、接客、苦情処理など。1つのホテルで、ある程度働き続けていれば、別のホテルに行っても通用するはずです。
ホテルじゃなくても、電話対応や接客スキルはどの仕事でも役立ちます。苦情対応なんかは普通なら誰もやりたがらない仕事ですが、だからこそ貴重な経験となります。
次に働くホテルや会社の面接で「苦情・クレーム対応もある程度経験を積んできました」と言えば、大きなアピールポイントになりますので、是非活用してみて下さいね。