診断書の作成を依頼する
診断書とは
診断書とは、その傷病についての診断内容、所見、治療内容を医師が記載したものです。現在、怪我や病気にかかっており、その治療のため就業が困難である、自宅療養が必要であるなど、病院の医師が証明してくれるものです。
診断書が必要となる場合
例えば会社を欠勤した時や休職して傷病手当を申請する時に証明書類として提出したり、体調不良を理由に業務量の調整を会社に申請する時とか、あるいは福祉制度を利用する際や健康保険や労災保険を申請するときなどに使います。
健康状態が良くなくて会社を休んだとき・これから休職する必要がある場合、医師から発行してもらった診断書が必要だったり、診断書があることで申請がおりやすくなったりします。
医師から休む必要があると認められているのに、それを無視して出勤を命じたとなれば労働基準監督署から指導が入りますので、非常に効力の高い証明書と言えます。
症状により就業が難しくて保険会社に手続きを申請する場合(保険が適用される場合)や、医療費控除の場合にも使ったりします。
ちなみに、退職する前に診断書が発行されていれば自己都合による退職理由ではなくて、会社都合となる可能性もあります(ハロワークで相談が必要です)。
自己都合退職であっても給付制限のないものとして(2ヶ月間の制限なく)、失業手当がもらえることもできます。
診断書の記載内容
診断書に記載される内容は、基本的に医師が決めて作成します。傷病によっても異なりますし、どのようなケースで、どのような申請手続きを行うかによっても違ってきます。
必ずしも希望通りに記載してくれるとは限りませんが、事前に要望があれば伝えてみると良いです。例えば会社に傷病手当を申請したい場合は、その旨を伝えればわかるように作成してくれます。
傷病名(うつ病・適応障害など)は必ず記載されることになります。そして通院したことにより行った治療内容やいつまで療養が必要である旨の記載をしてくれます。
診断書はすぐもらえるの?
診断書の作成自体は、そんなに時間がかかりません。書式が決まっていますので、それに沿って医師が記入(パソコンで入力)するだけです。
時間がかかるのは、診断書を作成するまでの診察に日数がかかる場合があることです。特に精神障害に関する診断書の場合(うつ病、適応障害など)、医師の考えや所見などが多く入りますので診断書の作成に慎重になる医師も多いのです。
この辺は医師によっても違いがあり、初診で発行してもらうことができる医師もいれば、発行期間が1ヶ月くらいかかる(月に数回の通院が必要な)場合もあります。
また、たまにですが診断書の発行を断られるというケースもありますので注意が必要です。
診断書の発行を断られたら?
お医者さんに診断書の発行をしてもらうのに、診断書を書いてもらえないというケースというのがあります。基本的に医師は診断書の発行を求められた場合、正当な理由なく拒んではいけないと法律で決まっています。
※医師法の19条2項:診察もしくは検案をし、又は出産に立ち会った医師は、診断書もしくは検案書または出生証明書の交付の求めがあった場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。
ではなぜ医師に診断書を書いてもらうのに、断られることがあるのでしょうか。主な理由としては医師の誤った認識や思い込みによる場合などがあげられます。
うつ病、適応障害などで傷害手当を申請する場合
・精神障害はほとんど医師の主観による判定となるため作成が困難である
・検査数値を記入するものが無く客観性を担保できないため作成が困難である
・客観的に確認できる身体の外部障害、内部障害と違い医師の主観が入るため負担が大きい
障害年金を申請する場合
・年金申請の審査は厳しく、風邪と同じような病状とかでは無理と言われる
・入退院を繰り返しているならともかく、そうでないなら無理と言われる
・働けているならば障害年金は対象外であると言われる
・かえって病気の回復が遅れてしまうことになると言われえる
医師の診断書がないと、障害年金や傷病手当を申請したり休職することができないことになります。全くできないわけではないのですが、申請がおりにくくなることがあります。
なので一度、医師に断られた場合、日を改めて再度依頼するか、あるいは医師宛てに手紙を書くなんて方法もあります。診察時間に自分の考えや思いを伝えるのは難しいため書面で伝えることで理解を求めるというものです。
郵送で診断書を提出してもらうよう返信用封筒に添え状をつけて病院宛てに送ります。診断書作成の依頼文としては、「○月(いつ)から病気で働くことができていない。
経済的不安に陥っていること、症状が改善すれば再度働くことを望んでいるが、今は障害年金に頼り治療に専念したいと思っている」ということを盛り込んでいれば良いでしょう。
後日「診断書在中」と書かれた書類が郵送で送られてくれば成功です。それでも診断書を書いてくれない、提出を拒否された場合は仕方がありません。別の診療所に依頼した方が良いでしょう。
医師によって違う?診断書の書き方
診断書といえば多くは作り方や作成方法が決まっていて、病院や医院、クリニックどこでも、大抵は書式・様式(フォーマット/テンプレート)が決まっているものです。
診察した日付、傷病名・あなたの氏名と住所、生年月日、診療所の住所と担当医師の氏名それに印鑑が押印されています。医師によって差が出るのは傷病名の後に書く、あなたの病状や就業が困難であること、そしていつまで休養が必要であるかなどの内容です。
障害年金を申請する場合と傷病手当を申請する場合とで書き方に違いがありますし、病状によっても違いが出てきます。大事なのは最初に傷病手当もしくは障害年金を申請するのに必要なので、診断書を発行して欲しいとちゃんと伝えることです。
それによって医師の了承を得られれば、ちゃんとその内容で作成してもらえます。WEBで検索すると、いろんな種類の診断書の画像が見本として出てきます。書き方の例として参考にしてみて下さい。
診断書に嘘を書いてもらうことはできる?
会社を休みたいがために仮病を使い、嘘の内容の診断書を作成してもらうことはできません。当然ですが法に触れますし、医師が作成するものですから嘘など記入することはできません。
あくまで正当な事由があって会社を休職する場合などに、それを客観的に証明する手段として発行してもらうためのものです。WEBで検索すると、診断書サンプルなどたくさん出てきます。
PDF文書をコピーしたり、偽造代行サービスなんてサイトもありますが、すべて違法です。申請する際に仮にばれなかったとしても、後から発覚した場合、警察に逮捕されることもあり得ますので止めましょう。
偽造されたものは作り方にクセがあるため、通常はすぐに分かります。有効期限が記入されていなかったり、診療所側の押印がなかったり、申請する機関にしか開封できないようになっていたりしますので、見分け方がわかります。
診断書の費用はいくら?
料金相場としては平均して5,000円(消費税込)前後です。病院や医院・クリニックによって異なりますが、安くて3,000円くらいから、高いところだと8,000円くらいします。
また、基本的に費用は会社負担ではなく自己負担となりますので出費は覚悟しておきましょう。但し、労災として休職する場合は労災保険の負担となりますので、実質無料で発行してもらえます。
それ以外に診断書の発行費用を安くする方法はありませんので、事前に診療所の料金表で値段を確認しておいた方がいいです。再発行してもらうにも、大きな金額がかかりますのでなくさないように注意してくださいね。