退職代行で正社員を辞める
正社員だと返ってくる金額が違う
正社員をやめるというのは、退職代行業界で一番多い依頼かもしれません。依頼者の多くはブラック会社に勤めている方です。主に介護、飲食、建設業界などの方が多いです。
正社員の場合、契約社員、派遣社員だとかアルバイトと比べて、退職金、有給休暇、未払い残業代だとか、退職にあたって支払われる金額が違う違います。
また、退職日はいつにするのかの問題や、体調を崩して辞めてしまう場合は労災認定してもらったり、自己都合ではなく会社都合での退職扱いとするなど、いろいろな利権が絡んでくると思います。
これらの問題が解決していない、あるいはしそうにない場合は弁護士に依頼するか、弁護士のいる退職代行業者に依頼した方が良いです。
有給を消化または買取り
未払い残業代の請求
退職金の相談
退職日の調整(転職先が決まっている場合)
弁護士や労働組合のある代行会社に依頼するのがベスト
結論から言いますと、貰えるものは全部もらってから辞めたいなら、弁護士や労働組合のある退職代行会社に依頼するのがベストです。法律に詳しい弁護士や労働組合が、あなたに代わって交渉してくれます。
労働組合については、弁護士資格を有していないですが、本人に代わって会社と交渉をすることが法的に認められていますので、労働組合のある退職代行業者は非弁行為として弁護士法に違反しません。
退職金だとか残業代だとか、お金のことってなかなか相談しづらいですよね。それ以前に、パワハラがひどい会社なら、そもそも退職金はでないからな、残業代は出ないからなとか言われると思います。
引き留められてすんなり退職できないケースも
また、退職の意思を伝えたのに何週間経っても何も言ってこないだとか、今辞められると困る、そのうち話を聞くからと言って先延ばしにされたり、引継ぎもあるから3ヶ月前には言ってもらわないと・・・などと言われて、すんなり退職できないケースも多いです。
入社して間もない時期だと、残業もそれほどなかったり、有休の取得も半年たたなければ取得できないので退職することだけにフォーカスすればよいですが、半年以上勤続してから辞める場合は、注意が必要となります。
入社して半年が経ち、出勤率が8割を超えていれば正式に有給休暇をもらえますので、有給を消化して退職したい、または有給を買い取ってくれるようにしてもらえば、返ってくるお金が全然違ってきます。
それと未払い残業代なんかある場合は、ちゃんと記録に残しておきましょう。タイムカードや出退勤が記録されているタイムカードなど、公的に証明できるものじゃなくても、自分のメモでも証拠として認められる場合があります。
転職先が決まっている場合は退職日と出勤日が被らないように
退職日についてですが、転職先がすでに決まっていて転職先の出勤日が決まっている場合は注意が必要です。退職日をいつにするかで、その日まで会社が負担する保険料の支払額も違ってきますので、転職先の出勤日と退職日が被ってしまうとトラブルが起きます。
例えば、転職先の出勤日が10月15日の場合、今務めている会社の退職日も10月15日とすると、1日だけ退職する会社と転職先の出勤日が被ってしまうことになりますよね。この被ってしまった1日分の保険料って、いったいどっちの会社が負担するの?ってことです。
普通はこんなことにならないと思いますが、有給休暇を消化したうえで退職する場合は、こういったトラブルも起きる可能性が出てきます。
例えば、有給休暇が20日間残っているとして、9月30日を最後に出勤せず有給を消化してから退職しようとすると、10月14日までは普通に有給消化ができますが、10月15日以降はすでに転職先の出勤日となっていますので、残り6日間の有給は消化できないことになります。
なぜなら有給休暇も「出勤」として扱われますので、10月15日以降も有給休暇を消化しようとするなら、それは出勤扱いとなって転職先の出勤日と被ってしまうからです。結果、保険料をどちらが支払うか転職先の会社とトラブルが発生してしまうわけです。
有給休暇も「出勤」として扱われる以上、最後に会社に行った9月30日が退職日ではなく、その後に使った有給休暇の最後の日が正式な退職日となります。なので、退職日をめぐってあなたに連絡が来たりすることがあります。
最悪の場合、出勤せざるを得ない状況が発生してくる可能性がありますので十分お気を付けください。いきなり会社に来なくなった人間が、退職日をめぐって数日間だけ出勤する・・・なんて相当気まずいですよね。
そして、退職を自己都合とするのか会社都合とするのかで失業保険の受けとり方も変わってきます。自分から辞めると言えば、自己都合による退職となりますが、会社都合による退職の場合だと、失業保険をすぐに受け取ることができます。
会社都合による退職とは、解雇や倒産などはもちろん、退職勧奨も含まれます。つまり退職を勧められたというものです。嫌がらせで退職を迫られたなどの事情があれば、それも相談してみると良いでしょう。
入社3ヶ月で正社員を辞めた体験談
さて私の経験ですが、正社員で勤めていた飲食店を3ヶ月で退職した経験があります。とってもブラックな会社で1日13〜14時間労働だったのですが、休憩なし、食事なし、立ったまま、壁によりかってもいけないという職場でした。
周りは店長が1人と社員の僕が1人、そして他はすべてアルバイト。先輩社員が1人もいない・・・。この時点で気づくべきでしたね。ちなみに店長の上には、ワンマンで何でも好き勝手に決める社長がいました。
人間関係の問題こそありませんでしたが、面倒なことがあるとバイトのみんなは全部僕に押し付けてきました。社員だから当然といえば当然なのですが、バイト主導で仕事が回り、嫌なこと面倒ごとは僕に流れてくる・・・そんな流れでしたね。
正社員という立場でしたが、一番後に入社して来た僕は、他の先輩アルバイトから仕事を教わりましたので、職場内では誰にも頭があがらず、また、バイトは長くても9時間労働なので、長時間働いてるのは僕だけでした(店長は勤務中にうまく休んでいたようですが)。
体力には自信がありましたが、さすがにこの条件だと体がもたず、退職しようと決意したのを今でもはっきりと覚えています。・・・というか、僕以外にも新しく入ったスタッフはみんな3ヶ月以内に9割方が辞めていくのだそうです(そりゃそうだ)。
そして社員は僕以外だれもおらず、上には店長と社長だけ。絶対おかしいと思いますよね。家に帰るとふらふらで、あまりの空腹のため、すぐに食事をとるものの、過労でそのまますぐに眠ってしまう生活が続きました。
ついには仕事中にトイレの便座に座った途端に眠ってしまい、そのまま何十分も目が覚めず、仕事中にいなくなったと問題になったこともありました。早くこの状況から抜け出したいと思ったある日、退職の意思を伝えてなんとか辞めることができました。
もう辞める、もう辞める・・・と思っても、一日一日を過ごすのにいっぱいいっぱいで退職の手続きなんか頭に入らないんですよね。週1日だけ休みがありましたが、働いている平日は、もうふらふらの状態でした。あのままずっと働き続けていたら、確実に過労で倒れているところでした。