パワハラ上司の特徴と対策
パワハラとは
そもそもパワハラとはパワーハラスメントの略で、簡単に言うと職場における威圧的な行為・発言・態度を含む行為を意味し、厚生労働省によると以下のように定義されています。
①優越的な関係に基づいて（優位性を背景に）行われること
②業務の適正な範囲を超えて行われること
③身体的若しくは精神的な苦痛を与えること、又は就業環境を害すること
暴力を振るわれるのが一番わかりやすい例ですね。直接体に触れていなくても、足元に物を投げつけられたりすることも含まれます。また、暴力そのものでなくても怒鳴り散らされたり、言葉による暴力や精神的な苦痛を与えることでもパワハラに該当します。
就業関係を害する場合も含みますので、例えば1人だけ厳しいノルマを課したり、挨拶しても無視する、アイツとはかかわるななどと周囲に指示したり、仕事にかかわる指示や情報を与えないなどといったこともパワハラになります。
パワハラになる事例
①身体に対する暴行・傷害
一目瞭然でわかる典型的なパワハラです。僕が実際に見てきた中では、頭を叩く・殴る・蹴る・ビンタするなどです。某全国チェーンの居酒屋で働いていた時の事ですが、蹴るというのは実際に僕がされた話です。
単純に仕事でミスった時のことですが。まぁ、手加減はされましたが・・・。ビンタするのは実際に同僚がされたのを見ましたね。同僚がピザ焼いたまま目を離したすきに、焦がしてしまったのです。
ラストオーダーで絶対に失敗しちゃいけない状況だったため、お客さんに提供できなくなってしまったことで店長が激高し、バチンと大きな音を立ててビンタされてました。
また、態度の良くない社員に対しては、ドスンドスンと鈍い音が聞こえるくらい体を殴っていましたね。今でもその光景が目に焼き付いて離れません。
仕事中はただ黙々と業務をこなすだけの人形のような感じで従業員は働いていました。私語なんて絶対にできない状況でしたね。今思うと異常な雰囲気の職場でした。
②プライベートなことに過度に立ち入る
付き合っている人はいるのかだとか、休日の過ごし方だとか、しつこく聞いてくることです。直接仕事と関係のないことですし、そういったことを言いたくない人だっています。
上司と２人だけになったときはもちろん、みんながいる前で聞こえるように言うのもＮＧです。僕が経験してきたのは、休日みんなでバスケやろうと言い出して近くの体育館を借りるよう命令されたことです。
当時、資格試験の勉強をしていたので休日そんなことをする余裕はありませんでした。また職場内でも激忙なポジションで業務をこなしていたので、何で自分がそんなことをしなきゃならないのかと不満を感じてました。
まぁ、ひたすらスルーしてましたが。また、当時彼女がいなかったことについてもあーだこーだ言われ、かなりうざい上司でしたね。当の本人はパワハラをしている自覚がないのも本当にタチが悪いです。
③精神的な攻撃をする
代わりなんていくらでもいるんだからなとか、死ねとか、明日から来なくていいぞとかの暴言です。相手の人格や尊厳をひどく傷つける発言をすることです。
これも言われたことありますね。明日から来なくていいというのは。まぁ、出勤しましたが(笑)。飲食店で働いていたときに、なんか理由もなく嫌われてしまったときの出来事です。
④過大な要求・不要な要求をする
お前だけ今月のノルマは２０件など過大な要求や、周りと比べて明らかに膨大な量の仕事を命じられたりすることです。毎週反省文を提出することなどのように意味不明の不必要な要求をすることです。
過大な要求ではなかったですが、僕だけ忙しいというのはありましたね。他の人より激忙なポジションを任されることが多かったです。飲食経験者で入社したからでしょうかね。
⑤過小な要求・仕事を与えない
ベテラン社員なのに、入社したばかりの従業員がやるような単純な事務作業をさせたり、担当していた仕事をすべて外す、放置するなどの行為です。
いわゆる追い出し部屋みたいなものですね。仕事を与えずに終業時間まで放置されたことがあります。僕の場合は激忙過ぎて仕事を教えてもらう時間がなかったみたいなのですが。
人間やることがないと本当にメンタルやられます。激忙な職場で自分一人だけボーっとしている状態です。時間が経つのが恐ろしく遅く感じられ、１日中精神的にきつかったのを覚えてます。
⑥仲間外れや無視をする
いじめとも取られかねない状況ですね。挨拶しても無視、周りにもアイツとは口きくなとふれまわったり、１人だけ飲み会に誘わなかったりする行為です。
飲み会というか、同じバイト仲間のお別れ会に僕だけ誘われなかったことはありました。バイト仲間は全員で5人。それと社員が7～8人です。
この状況で飲み会の話が僕だけ回ってこなかったというのは、あぁ、そういうことかと悟りました。実際には忘れていただけと言われましたが、所詮その程度の扱われ方だったわけです。
パワハラにあたる言葉の一覧
以下の言葉はパワハラにあたります。軽い感じで言われるのではなく、日常的に繰り返し怒号と共に言われると、間違いなくパワハラに該当します。
おまえ
アホ
ボケ
カス
ハゲ
デブ
チビ
クソ
死ね
消えろ
ぶさいく
ばばあ
おばさん
おばちゃん
おっさん
じじい
子供
妊婦さん
きもい
くさい
のろま
無能
ゆとり、ゆとり世代
コネ入社
Fラン大学、高卒、中卒
有給取れるわけねーだろ
結果出してから言ってくれ
おまえ、何歳だ、
おまえの存在が目障りだ
どれだけ迷惑かければ気が済むんだ
口答えするな
親も頭悪いんだろな
おまえの子供がかわいそうだ
●●さんが私の部下だったらよかったのに
やる気あるのか？
おい下っ端、早くビール注げ
ふざけるな
おまえを信じた、俺がバカだった
プロジェクトから外すぞ
もう辞めたら？
使えない
ダメ人間
昼メシ買ってきて
早く散髪いけ
役立たずなやつ
ちゃんと考えたのか？
まじめにやってる？
これ常識だから
仕事できなくてもメシはちゃんと食うのか
さぼるな
どこまで教えないといけないの？
もっと働け
仕事してるフリするな
普通、聞かなくてもわかるだろ
いつでもおまえを飛ばすことができる
おまえの代わりはいくらでもいるぞ
すごい優秀な新人が来るぞ、おまえやばいな
こんな成績でよく会社来れるな
逃げるのは簡単だ
おまを採用して失敗だ、金返せ
おまえも時間の問題だな
こんな成績で正社員なれないぞ
もう会社来なくていいぞ
もっと優秀な派遣に来てもらうことにした
もう派遣契約更新しないから、もう契約更新しないから
電話対応もまともにできないのか
上司に逆らうのか？
無礼なやつだな
反省してるのか
言い訳するな、やれ
なんで早く会社来てるの？
何時間かかってるんだ、俺だったら10分で出来るわ
おまえ病気か？
もう転職しろよ
休みの日、勉強したことを報告しろ
よく入社できたな
言われたことだけやれ、余計なことするな
言葉づかい気をつけろよ
頭、大丈夫か？
こっち見るな
おまえ今までちゃんと勉強してきたか？
おまえ会社に貢献したことある？
面接のときの発言はうそだったのか？だまされたわ
次、ミスしたらブチ切れるぞ
先輩を見習え
女だからこの程度で済まされてることに感謝しろ
このままだと仕事まかせられないぞ
おまえ社内で評判悪いの知ってたか？
おまえのせいで、みんなイライラしてるぞ
レベルが低い
仕事が遅い
おまえより成長が遅いやつは見たことがない
もっと、がむしゃらにやれ
給料泥棒
頑張ってるやつと頑張ってないやつがいる
死ぬ気でやれ
契約とれるまで帰ってくるな
おまえ何回目だ、何回教えたらわかるんだ
前も言ったよね？
おまえは新卒以下だ（●●以下だ、●●の方が上だ）
社会人として常識だ
他社でも通用しない
休めると思うな
みんなやってるぞ、おまえ以外できてるぞ
そんなこともできないのか
恥ずかしいと思わないのか
おまえには出来ない
おまえには失望した
責任とれんのか
おまえのせいで会社は損失だ
おまえ以外みんな出来てるぞ
もう後がないぞ
失敗したらクビだ
小学校からやり直せ（●●からやり直せ）
おまえは楽でいいな
甘えるな
いつになったら出来るんだ
もう帰るのか？
パワハラ上司の特徴って？
パワハラする上司には大体共通した特徴があります。まず声が大きいです。そして、わがままで感情的。自分本位で好き勝手に行動します。こちららが正論を言ってもまったく話を聞きません。
自分の言ったことが一番正しいと思っていて、周囲の人の意見や考えは受け付けません。言い返すと逆切れします。明らかにその上司の判断ミスだとわかるようなことでも、絶対に自分の非を認めません。
人には厳しく叱るくせに、自分が同じミスをしても知らないふり。そのミスを指摘すると怒り狂ったように怒鳴りちらす。その場の感情で好き勝手に行動するので営業時間にいなくなったりするのは当たり前。
・・・とまぁ、こんな感じですね。僕が経験してきた典型的なパワハラ上司のイメージ像というか、実際にいる人です。ただでさえ役職が上で下手に意見できない上に、こういう性格をしているので手が付けられないのです。
心理的に王様状態となっていて、周りにはＹＥＳマンしか残らないです。誰も逆らえないですからね。結局好き放題やりまくって問題を起こして左遷や降格処分されたり、クビになったりするという末路が待ってたりします。因果応報なんですがね。
パワハラでの退職届の書き方
パワハラで退職するときの退職届の例文を紹介します。退職届にパワハラと記載する方法とそうでない方法があります。スムーズに辞めたいなら記載しない方が無難です。
なぜならパワハラと書かれた退職届を提出すると、素直に受理されない場合があるからです。パワハラなんてないぞ？と普通に言います。都合の悪いことは絶対に認めません。
何がどうパワハラだったのかとことん追及されます。そして、あの手この手でパワハラがなかったことにされます。仕事を辞める直前まで真正面から会社と争うことになります。
理想は退職届に正直に退職理由(パワハラがあったこと)を書いて提出し辞める事ですが、そんなことができたら苦労はしませんよね。そんなことができないおかしな会社だからこそパワハラが起こるわけですから。
なので退職届には無難に「一身上の都合により」と書けば大丈夫です。このように書いても後からパワハラ被害を訴えることも可能です。ちなみに退職「願」を提出すると却下される可能性もありますので「退職届」と書いてください。
辞めるかどうか検討中である、辞めるかどうか考えているという意味の退職「願」だと、受理されないことがあります。退職の意思は固まっている、いついつ辞めますという意思表示である退職「届」を提出するようにしてください。
退職届の書き方の例
退職届
会社名×××
代表取締役 社長の名前 殿
私事
この度、一身上の都合により、○○年○月○日を以て退職いたします。
○○年○月○日
部署名
自分の名前 印鑑
※真正面からパワハラが理由で退職するという意思表明をする場合は、「一身上の都合により」の部分を「パワハラ行為に伴う心身疲労のため」に置き換えて下さい。
その場合は、嫌がらせを受けたとか、□□されたという具体的な記述は不要です。パワハラ行為によりという記載の仕方で充分です。
パワハラで退職即日はあり？
結論から言えば、ありです。パワハラ自体が違法行為なわけで、パワハラを受けている＝犯罪行為をされていると同じことです。悪質なものだと警察沙汰になったり、本来なら告発されて刑事罰を受けるようなことをしていることもあります。
特にブラック企業に勤めていて、一日中働きづめの人は正常に考えることもできないはずです。辞めなければいけないという真っ当な思考ができるうちに辞めるべきです。
辞めたいのに辞めさせてくれない、辞めることで会社に損害が出たら損害賠償するぞとか、勝手に辞めるとどうなるかわかってるよな？などとおどされている場合は要注意です。
退職代行を使ってでもすぐに辞めましょう。ストレスになって鬱になり精神的におかしくなってからでは遅いです。正常な判断ができるうちに行動してください。
弁護士事務所がやっている退職代行がオススメ！
後々訴えるにせよ、そうでないにせよパワハラがあるなら退職代行を使ってでも即日退職しましょう。ただでさえ法律が絡んでくるのに、パワハラともなると自分一人の力では厳しいでしょう。仕事をしながら、その勤め先の会社を訴えるのはかなり困難です。
僕も給料未払いの会社に対して訴訟を起こしたことがありますが、時間と労力を考えると、誰かに頼んだ方が楽だし早かったなと思っています。僕の場合は経験が欲しかったので、自分で訴える選択をしましたが。
が、休みの日に労働基準監督署やハローワークに行って相談したり、法務局にいって会社の商号を調べたり、裁判所にいって書類を書いたりするのは中々の労働です。
生活するために仕事をしながら休みの日は前職の会社を訴える準備をセコセコとするのは、相当な覚悟が必要なのでよく検討してください。
退職した後にパワハラで訴えることもできる
パワハラで退職した場合、その会社を訴えることは退職した後でもできます。むしろ在職中は辞めることだけに専念して、仕事を辞めてから訴えることにした方がいいです。
自己都合退職を会社都合退職に変更してもらったり、慰謝料を請求することでゆっくり療養したり、その後の転職活動にも余裕が持てるようになります。特に自己都合退職から会社都合退職に変わると失業保険が多くもらえます。
退職後2ヶ月間の制限もなく7日間の待機期間後すぐに失業手当がでます。すぐに転職せずにゆっくり休みたい人にはオススメです。うまくいけば加害者である上司へ異動命令がでたり、減給処分やクビになったりして仕返しにもなりますし、追い込むこともできます。
辞める前にパワハラの証拠を集めておく
パワハラがあった、いじめがあったということを立証するには証拠が必要です。当然ですが、パワハラがあったと主張するだけでは言いがかりをつけられたと相手に言われておしまいです。
証拠となるものを集めておいてください。携帯・スマホで写真をとる、録音機付きのボールペンをもっていき音声をとっておくなど、形に残せるものはすべて形に残しておきましょう。
日記やメモでも証拠として認められる場合があります。タイムカードを勝手にきられて、残業していなかったようにされても、実際に会社を退出した時間を記録しておいてください。
慰謝料の相場は大体50～100万円ほどです。これに未払い残業代があれば上乗せして請求できますし、うつ病などの病気になり治療や通院にかかった費用や休職した期間があれば、それも請求できます。
また、訴える期限は民法改正により、「生命又は身体を害する不法行為」による損害賠償請求権の消滅時効期間は５年間、身体的な損害が生じないセクハラ・パワハラによる精神的損害は、３年間とされています。
パワハラ退職後、失業保険は？
失業保険については、会社都合で辞めたか自己都合で辞めたかによって受給開始日、受給期間、受給額が変わってきます。結論から言いますと会社都合で辞めるのが理想です。受給開始日、受給期間、受給額すべてが自己都合退職と比べて高いからです。
「パワハラで退職するんですね、ハイわかりました」と、それを会社がすんなり認めるケースというのは非常に少ないです。自己都合から会社都合にするには、失業保険の受給手続きをするための機関であるハローワークに相談してみて下さい。
実は会社で、パワハラ・セクハラ、いじめ、辞めてしまえと言われ退職勧奨があったということがあったのですがとハローワークに相談してみると、会社都合による退職とみなしてくれる場合もあります。
パワハラで退職後の転職活動
面接で質問される？前職の退職理由は？
パワハラがあったので辞めましたと素直に言うと心証が良くないのではないか、デメリットではないのかと考える人もいます。だからと言って職場の雰囲気や社風が合わなかったとか、遠回しな言い方をするとかえってよくありません。
正直にパワハラがあったと言った方がいいでしょう。但し、自分だけでなく一緒に働いていた人も同じ目に合っており、みんながその被害にあっていたと説明すると良いです。
採用する側の面接官としては、ちょっとやそっとのことでパワハラだなんだと騒ぐ人なのではないかという印象を受けてしまう恐れがあるからです。
あなただけでなく、周りの人も被害にあっていたこと、客観的にみて誰もがおかしいと思える状況だったことを話せば面接官の心証も大分違ってきます。
パワハラによる退職をしたことは、きちんと事情を話せば決してマイナスのイメージにはなりませんので安心してください。
