うつ病退職で後悔しない辞め方
現在、うつ病で会社を辞める人が世の中に多数います。朝起きると会社に行きたくない、仕事したくない、吐き気がするなど精神的に嫌気がさしている人が大半です。
大企業や中小企業のサラリーマンをはじめ、人と接する機会の多い看護師や保育園で働く保育士、美容師、介護士など様々な職種で目立ちます。
また、民間企業だけでなく公務員や学校教師、警察官や自衛隊にまでと鬱病による退職者が増えています。年代で見れば、特に30代、40代、50代の方が多いですね。
職場の人間関係をはじめパワハラなどのハラスメントはもちろん、非正規雇用(契約社員・派遣社員)でいることの不安、最近ではコロナウイルスを原因としたものもあります。
ここでは、うつ病などの気分障害(自律神経失調症、適応障害、精神疾患など)で仕事を辞めるとき、どのように辞めれば良いかを解説していきます。
うつ病で退職する時の伝え方
正直にうつ病でという言い方ではなく体調不良を理由にした方が良いです。というのは、正直に話すと、甘えだとか、そんなの理由にならないだとかいう人がいるからです。
立派な病気なのに認めてもらえない上に、職場に原因があるということにすら気づいてもらえないですよね。身体の調子が悪いと言えば、下手な引き止めに合うことも少なくなります。
それに自分がかかっている病名を伝えるのって、いい気はしないですよね。病名を聞かれたら、「あまり言いたくないのですが」と言葉を濁してください。
どうしても申告しなければいけないとなった場合は、他の人には漏らさないようにと頼み伝えましょう。
うつ病で即日退職しても大丈夫?
よっぽど症状がひどい場合だと、その日のうちに辞めるというのもありです。但し、会社とトラブルにならないように、電話や手紙・メールなどでその旨伝え、業務の引継ぎや挨拶を済ませ支障がないようにして下さい。
体調がひどい場合というのは身体に異常がでている時ですね。仕事や上司のことを考えただけで胸がキリキリ痛む、吐き気がする、血尿がでるなどといった症状の場合です。
危険信号ですので退職代行を使ってでも退職してください。今後も他の会社などで働くことを考えれば、今体が壊れてしまってはいけませんからね。ただ、そうでない限りは可能な限り通常通り正規の方法で退職すると良いです。
理由は、有給休暇を消化したり、傷病手当をもらったり、会社都合による退職扱いにできる場合もあるからです。有休消化は会社の義務ではありますが、悪質な会社の場合、有給を使わずに退職したなんてことにもされる恐れもあります。
また、退職後に傷病手当をもらう場合、退職前に最低4日以上休み必要があります(連続3日+1日以上)。休むのに土日祝日はもちろん、有休を使っての休日も入ります。そして退職日を有給にすることで傷病手当受給の条件を満たせるからです。
そして、退職するまでに上司の言動とかタイムカードの記録とか証拠をとっておけば、退職後ハローワークに申告すれば自己都合退職ではなく、会社都合退職に変えてくれる可能性もあります。
さらに、パワハラ・セクハラなどがあれば、証拠をそろえて退職後に慰謝料など損害賠償を請求するために訴えることも可能なのです。なので、よっぽど病状が悪い場合でない限り、自分が得するような辞め方、辞める準備をするのが賢い退職方法となります。
休職するという選択もある
会社によっては休職中も給料をもらえたりします。満額ではなく、それまでの勤務実績に応じて一定の金額ですね(例:月の給料の6割など)。会社の規約を確認したり上司に相談して確認してみて下さい。復職後に再発するようであれば、その時に退職しても遅くなないでしょう。
休職中に退職勧奨を受けたら
休職している間、会社から退職勧奨を受けることがあります。例えば1ヶ月くらい休職してから復職してくれるなら良いが、それ以上の休職になるとちょっと、ということで会社側が動き出すんですね。
休職の場合、退職と違って会社にまだ籍があるわけなので、会社側としては抜けた人員の穴埋めに人材募集をかけることができないわけです。いつか戻ってくる人の為に現場では少ない人員で業務をこなさなければいけませんし、戻ってきてもブランクがあるため、すぐに戦力にならないでしょう。
それだったらいっそのこと退職してもらって、新しい人材を入れた方が会社にとっては利益になるからです。なので、会社に未練がないのであれば退職勧奨を受けて退職して良いでしょう。
退職勧奨を受けることで「会社都合による退職」となります。自己都合退職よりも失業保険の受給制限がなく、国保への切り替えの時も保険料を軽減してもらえる可能性もあります。
うつ病で退職したいけどお金が心配
うつ病で退職する場合に限らず、退職したその後はどうやって暮らしていけばいいの?と思われる方も多いでしょう。通常、退職する場合は先に転職先を決めておくって人の方が多いです。でも転職先ってなかなか簡単には決まらないんですよね。
自分に合う仕事を探すだけでも大変なのに、コロナの影響で求人数も少なくなっています。しかし、それ以前に自分の病気を治すことの方が先決ではないでしょうか。仮に転職先を見つけて再就職したとしても、そこで鬱病が治るというわけではありませんし、悪化してしまうことも考えられます。
ここでは、国から社会保険給付金をもらい生活費に充てながら療養し、再就職先もゆっくり見つけることができる方法を解説します。社会保険給付金とは、失業手当と傷病手当金のことを言います。
うつ病で退職した後の失業保険は?
雇用保険に加入していると、退職した場合に失業手当がもらえます。どのくらいの金額をもらえるかは、在職中にもらっていた給料のおおよそ6割程度です。
どのくらいの期間もらえるかは、年齢や在職していた期間等にもよりますが、3ヶ月〜10ヶ月くらいです(45歳以上の方は最大12ヶ月)。もらえる期間に幅があるのは、失業手当給付中に就職活動を行ったり、職業訓練校に通うなどすれば受給期間が延長されるからです。
そして、退職後にハローワークに行って手続きし7日間の待機期間を経過した後、すぐに受給できる場合と、さらにそこから2ヶ月経ってから受給できる場合に別れます。
リストラ、解雇(クビ)、派遣切りなど会社都合による退職の場合はすぐに受給できるのですが、それ以外の自己都合による退職の場合は2ヶ月の給付制限があります。
うつ病で退職する場合、多くは自己都合退職になると思われがちですが、場合によっては会社都合による退職となる場合もあります。退職した場合、会社から離職票が送られてきます。
そこに書かれた離職コードによってハロワの担当者が会社都合退職か自己都合退職かを確認します。もし、退職前に職場でハラスメントがあったり、何十時間も残業をしていたり、給料を下げられたりといった事情があれば、会社都合退職になる可能性があります。
ハロワの職員へその旨話してみて、そういった事情が確認とれれば自己都合退職から会社都合退職に変えてもらえます。また、コロナウイルスの影響による退職の場合、仮に自己都合退職でも会社都合退職として扱われる場合もありますので、是非確認してみて下さい。
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退職後も傷病手当をもらう方法
うつ病で退職する前に診断書を発行してもらう
退職前に会社を休職し傷病手当をもらっていた場合、引き続き受給することができます。また、休職していなくても、退職する前に心療内科などに通院し労務不能と診断されていて、退職後も状態が変わっていなければ傷病手当を申請することができます。
退職前に、連続3日間を含む合計4日以上の欠勤、退職日に出勤していないこと、健康保険に1年以上加入していることなどの条件があります。
欠勤には土日祝のほか有給休暇も含まれますし、退職日に出勤していないことには有休を充てることでも可能です。最長1年6ヶ月の間、傷病手当を受け取れますので条件に当てはまる人は、申請手続きをしてみて下さい。
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うつ病で退職した後の再就職は?
再就職する場合、転職先の面接官に前職の退職理由をきかれることがあります。結論から言いますと、「うつ病で退職しました」と言わない方がいいです。当然ですが、健康な方が望ましいわけです。
面接官に入社してもまた、鬱病が再発するのではないのか、人間関係などでストレスがたまるとすぐに休むのではないかと不安を与えてしまいます。
無難に健康上の理由によりと回答しておきましょう。今現在は体調も良くなって通常通り働けるということがアピールできれば大丈夫です。
また、パワハラがあった場合なども、「前の職場でパワハラに遭い心身ともに調子を崩しまして・・・」などというのもNGです。面接官からすれば、ちょっとした言動でもすぐにパワハラと騒ぐのではないかと不安を感じさせてしまうからです。
入社させて業務に就いてもらっても過度に気を使わなければいけなくなるのではないか・過度に環境に配慮しなければいけないのではないか、と思われるからです。
どうしても理由を聞かれたときは正直にパワハラがあったというのは良いですが、自分以外の同僚達もパワハラに悩んでおり、どうしようもなく退職にいたったなどと回答しておきましょう。