失敗しない退職届の書き方
退職届とは
退職届というのは〇月×日付で会社を辞めますという通知のことです。会社に対して勤続する意思がなく、すでに退職日も決まっていることを表示するものです。
退職届と退職願の違い
似たようなものに退職願というものがありますが、これは退職を希望している・退職を検討しているという意思表示をするもので、退職を取りやめる可能性を含みます。
後から撤回することも可能なわけです。なので、退職届を提出するというのは、一応退職予定でいますので・・・というあいまいなものではなく、確実に退職しますよということになります。
似たようなものに辞表というものもありますが、これは一定の役職についている人や公務員の方が提出するものになりま
す。
そもそも退職届は必要なの?
退職するにあたって、そもそも退職届が必要になるかどうかは会社の規則によります。口頭で伝えればよい場合も多いです。
実際に退職する際の手続き書類は、退職届とは別に会社ごとに書式が決まっており、そちらにサインや印鑑を押すことで正式な退職の手続きとなる場合が多いです。
また、正社員や契約社員・アルバイト・パートなど雇用形態によっても異なります、退職届はもちろん、退職書類ですら不要な場合もあります。
退職届はいつまでに提出すればいいの?
法律上、期限の定めのない雇用の場合は2週間前に退職の申し出をすれば退職できるという規定があります。
しかし、円滑に業務を引継いでから辞めたいなら退職届の提出する提出するタイミングは、必ず直属の上司に口頭で伝え、退職日の3ヶ月前〜1ヶ月前には提出しましょう。
ちなみに退職届は郵送でも手渡しでも、どちらでも良いです。不安なら上司に相談した際に確認しておくと良いです。
退職届の具体的な書き方
縦書きと横書きがありますが、どちらでも良いです。パソコンで作成する人もいますし、手書きで作る人もいます。どちらがいいとか悪いとかいう問題ではありませんが、パソコンで作ると早くてキレイにできますし、間違えても後から訂正できます。
WEB上に退職願や退職届のフォーマットやテンプレート(ひな形)がありますので、それを見本にして作るとよいです。手書きだと間違えると最初から書き直さなければいけませんし字もキレイに正確に書く必要があります。
一見、手書きの方が手間がかかるように見えますが、手書きの方が個性がでるというメリットがあります。手書きの、文字から伝わる味というか、雰囲気が伝わります。
手書きでもパソコンなどで印刷したものでも、どちらでも構いません。退職するのに、わざわざ時間をかけたくない人はパソコンの方が早いです。
用意するもの
退職届を作るにあたって、以下のものを用意しましょう。コンビニや100均で買ったものでも悪くはないですが、あまり質の良くないものだとうまく作れませんのでご注意ください。また、印鑑については、シャチハタはNGです。
・便箋・用紙
・筆・ボールペン
・封筒
・印鑑
退職願の例文
退職願いの例文です。参考にして下さい。
退職願
20××年△月□日
会社名
代表取締役 社長の氏名 殿
部署名
自分の名前 印鑑
私儀(私事)
この度、一身上の都合により、〇月×日をもって退職いたし
たく、ここにお願い申し上げます。
以上
<ポイント>
表題:一番上は退職願と記入します。退職「届」とは違いますので間違えないように。
日付:退職願を提出する日付を記入します。
会社名:会社の正式名称を記入します。
宛名:会社の社長宛にします。
部署名:自分の所属している部署を正確に記入します。
自分の名前:自分の名前と、その横に印鑑を押してください。
私儀(私事):私儀もしくは私事と記入します。
本文:自己都合の場合は、一身上の都合と記入します。具体的な退職理由を記入する必要はありません。日付は退職希望の日付を記入します。最終行は「以上」で締めくくります。
退職届の例文
退職届の例文です。参考にして下さい。
退職届
20××年△月□日
会社名
代表取締役 社長の氏名 殿
部署名
自分の名前 印鑑
私儀(私事)
この度、一身上の都合により、誠に勝手ながら、〇月×日を
もって退職いたします。
以上
<ポイント>
表題:退職届と記入します。退職「願」とは違いますので間違えないように。
日付:退職届を提出する日付を記入します。
会社名:会社の正式名称を記入します。
宛名:会社の社長宛にします。
部署名:自分の所属している部署を正確に記入します。
自分の名前:自分の名前と、その横に印鑑を押してください。
私儀(私事):私儀もしくは私事と記入します。
本文:自己都合の場合は、一身上の都合と記入します。具体的な退職理由を記入する必要はありません。退職する日付(確定した日)を記入します。最終行は「以上」で締めくくります。
退職願・退職届の提出の仕方
退職願・退職届を作ったら横三つ折りにして封筒に入れます。折り方は、退職願・退職届と記入した面が隠れるように下から折ります。三つ折りにした上の段が、折り曲げた後も一番上になるようにして封筒にいれます。
その際、上の段が封筒の裏面にくるように入れます。表面は「退職願」または「退職届」と記入し、裏面は所属部署と自分の名前を記入します。
直接手渡す場合はそのままでよいですが、郵送する場合はのり付けして「〆」マークを記入しましょう。郵便番号や住所を記入し切手を貼って投函してください。
退職届はパートやアルバイトでも必要なの?
パートやアルバイトでは、通常退職届は不要です。もともと期限付きで働く方が多く、退職届を要求している会社というのは稀です。僕自身も書いたことがありません。
口頭で○○なので△月×日で辞めたいのですが・・・なんて言って、承諾もらって最終日におしまいって流れがほとんどです。ひどい扱いを受けて無断欠勤してそのまま・・・という流れで辞めたこともあるくらいですからね(ボソッ)。
但し、会社によっては退職届という正式な書式を要求するところもあるらしいです。僕が直接見たり聞いたりしたわけではないですが、会社の規則上、そのようになっている会社もあるということですね。
退職届を提出するメリットはコレ!
退職届を提出するメリットというのは、会社に対して意思表示をしたことが退職届という書面で形に残るということです。内容証明と同じようなもので、法的な効力は発生しないけれど証拠になるよという意味合いがあります。
後から「退職すると言った・言わない」の話になった際に有効な手段になるということです。揉めた際の証拠残しってことです。退職届を用意する最大のメリットがここにあります。
すんなり辞められそうにない・トラブルになる可能性がある、つまりはブラック企業などに勤めている場合ですね。郵送で退職届を送ることが可能なのも、手渡しでは受け取ってもらえない可能性があらからです。
反面、会社側から見ても実は退職届を提出してもらうことにメリットがあります。本文の中の「一身上の都合により」○月×日で退職いたしますという部分です。
一身上の都合つまり、労働者の自己都合ということです。退職には労働者側の都合で辞める自己都合退職と、会社側の都合で辞める、やめさせられる会社都合があります。
クビになったり、会社が倒産したり、リストラにあったりしたばあいは会社都合となります。それ以外の場合は、基本的に自己都合となります。
会社都合で退職するか、自己都合で退職するかは、失業保険を受給する際に大きく変わりますので、ここは重要なポイントとなります。
退職届に「一身上の都合により」と書かれている自己都合の場合は、会社側にとっても会社側が原因で辞めたわけではないことを示す証拠となるわけです。
失業保険を受ける際はもちろん、ブラック企業に勤めている方は注意してくださいね。違法な労働時間で働き続けて身体を壊し会社を辞めることになっても、一身上の都合によりという退職届をだせば自己都合になってしまいます。