退職金ってもらえるの?
退職金ってそもそも何?
退職金(Severance pay)とは、労働者が会社を退職する際に会社が労働者に対して支払うお金のことです。定年退職するときだけでなく中途退職や死亡した際にも支払われることがあります。
そもそも退職金は、会社が必ず労働者に支払わなければいけないものではありません。支払うかどうかは会社にその規定があるか否かによります。
退職金について規定がなく退職金がもらえない、退職金なしの会社も当然あります。逆に会社の規定に退職金・退職金共済という文言があれば、その会社は退職金制度があるということになります。
退職金共済とは、国の退職金制度のことで事業主が毎月一定の掛金を積立てることで、労働者の退職金を計画的に準備する制度のことです。
退職金はいつ振り込まれるの?
退職金制度が会社の規則によって決まっている以上、退職金が支払われる時期も会社の規則によって異なります。大体は退職してから1〜2ヶ月後に支払われることが多いようです。正確に知りたいならば、会社の規則を確認してみるのが良いでしょう。
会社に退職金の規則・規定があるにもかかわらず退職金が振り込まれない場合は、会社に請求することができます。労働基準法により、労働者の請求後7日以内に、会社は退職金を支払わなければいけないことになっています。
退職金の相場はどのくらい?
退職金の相場といっても会社の規模や勤続年数、退職理由(自己都合退職か会社都合退職か)、最終学歴などによって変わってきます。中小企業よりも大企業、勤続年数が多いほど、自己都合よりも会社都合が、そして高卒よりも大卒の方が多く退職金がもらえます。
会社によって退職金の計算式は決まっています。退職金共済や中小企業退職金共済(中退共)などでは、実際自分がどのくらい受け取れるのかシュミレーションも可能です。
以下は他サイトより抜粋した退職金の平均額を表にしたものです。あくまで参考程度に考えてみてください。実際の金額は会社によって増減します。
退職事由別の平均退職給付額(勤続20年以上かつ45歳以上)
勤続年数・学歴によるモデル退職金(自己都合退職の場合)
※マイナビ転職より抜粋
業種別で見る!退職金ランキング
下記の金額は業種別でみる退職金のランキングデータです。どんな業界で働いているかによっても退職金の金額が変わります。業種によっては多い・少ないの差がはっきり出ていますね。
1位 海運・倉庫 3405万円
2位 新聞・放送 2402万円
3位 窯業・土石製品 2340万円
4位 造船 2136万円
5位 保険 2129万円
6位 石油 2056万円
7位 ホテル・旅行 2040万円
8位 百貨店・スーパー 2017万円
9位 化学 2009万円
10位 電気機器 1989万円
11位 建設 1982万円
12位 商事 1974万円
13位 私鉄・バス 1952万円
14位 電力 1948万円
15位 情報・サービス 1793万円
16位 車輌・自動車 1770万円
17位 繊維 1686万円
18位 機械 1659万円
19位 非鉄金属 1435万円
20位 製鉄・製鋼 1279万円
21位 パルプ・製紙 1235万円
22位 食品・たばこ 1146万円
23位 銀行 1042万円
※mymoより抜粋
退職金に税金はかかるの?
退職金には税金なんてかからないなんて思っている人もいますが、退職金にもちゃんと税金がかかります。但し普段会社から支払われる給料に比べて優遇措置が取られています。
いわゆる退職金控除といって、給料でもらう所得税に比べて課税対象となる金額は限られています。退職金をもらった翌年の税金だったり住民税なども退職金の金額によって計算式が違います。退職所得控除額は、次のとおりです。
40万円×勤続年数(80万円より少ないときは80万円)
70万円×勤続年数−600万円
20年以下40万円 × A (80万円に満たない場合には、80万円)
20年超800万円 + 70万円 × (A - 20年)
注1:障害者になったことが直接の原因で退職した場合の退職所得控除額は、上記の方法により計算した額に、100万円を加えた金額となります。
注2:前年以前に退職金を受け取ったことがあるとき又は同一年中に2か所以上から退職金を受け取るときなどは、控除額の計算が異なることがあります。
勤続年数は11年になります。(端数の2ヶ月は1年に切上げ)
40万円×(勤続年数)
=40万円×11年
=440万円
800万円+70万円×(勤続年数-20年)
=800万円+70万円×10年
=1,500万円
※国税庁HPより抜粋
税金の申告方法は?
通常は、会社から退職金を支払われる際に控除されていますので、年末調整の際に源泉徴収されます。
但し、退職時に「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出していない場合は、確定申告をすることで、退職金が支払われた際に控除された金額が戻ってくる可能性があります。
詳しくは退職金がどのように支払われたのか会社に確認し、税務署に聞いてみましょう。
退職金を受け取ったらどうする?
定期預金に預けたり、資産運用として退職金を元手にさらに増やすこともできます。詳しくは投資のお話になるので割愛しますが、リスクとコストを考え大事に運用してくださいね。